ゆらゆらタユタ

アラサーとゆとりを取り巻くもろもろ

女と女

3人でいても、ふたりとひとり

高校入学初日から卒業までを、ニイナとハヅキと一緒に過ごした。ふたりとも大好きだけど、奇数のグループって難しくて、どうしてもふたりとひとりに感じる時があった。ニイナとハヅキ、それからわたし。境界線はすっごく薄い膜みたいで、無視することも、見…

不幸になったら愛されて幸せ♡

小学校に上がる頃には、母親に好かれていないと気付いていた。「好かれていない」というよりも、「嫌われていた」が近いかもしれない。母は常識があって責任感の強い人だから、兄ふたりとの露骨な差別や虐待はなかった。けれど、ふとした瞬間の表情や、言葉…

アヤちゃんと3人のトモダチ#しーちゃん

※こちらの話とリンクしています。 ユリノから「婚約した」と聞いた時、私たちは新大久保で韓国料理を食べていた。 「おめでとう!」と平子が声を上げ、改めてノンアルコールで乾杯した。数年に及んで元彼を引きずっていたユリノが、新しい彼氏とトントン拍子…

悲劇ならわたしの視界の外で

え、どうしたのこれ。婚約祝い? うそ、ありがとう。開けていい? わぁ可愛いグラス! この作家好きなんだよね。あ、そっか。前に一緒に展示を見に行ったね。 大事にする。……でもわたし、婚約のことアヤに言ったっけ。 // そう、平子のインスタで婚約パーテ…

わたしたちは友達なので

「いじめられてるの?」なんて訊かれて「はい」って言える人間が、言えると思ってる人間が、わたしはまったく理解できない。 担任の徳田先生は、言えると思ってる側の人らしかった。平静を装っているけれど瞬きが多いし、机の上で組んだ手の動きが忙しない。…

ガラスのクツも金次第

昔々、あるところにシンデレラという美しい娘がおりました。父親の再婚相手とその娘たちはマジでとんでもない性悪で、父親の死によってそれは加速しました。姉たちが散財を極める中、シンデレラは無料家政婦としてこきつかわれ、毎日のように因縁をつけられ…

わたしは彼のプリンセス

あ、待って。なにこの空気。 さっきからふたりで目配せして……絶対なにかたくらんでるでしょ。 あー、絶対それ言われると思った。今日はその話題はやめようよ。なぜって、うそ、知らないの? 28歳以上の恋バナは法律で禁止されたんだよ。テレビのニュース見て…

愛のため戦え!

姉は常軌を逸した面食いだった。 好きになる男は全員飛び抜けて顔が良く、「ダサいけどよく見たら」という隠れイケメンではなくて、自分の美しさを自覚して飾り立てる男たちだった。20代の姉は、深夜でも呼びだされればタクシーに飛び乗り、しょっちゅう泣か…

【NANA】小松奈々(ハチ)という女

気づいたらNANAだった 初めてハマった少女漫画がNANAだった。作者はご近所物語、パラダイス キスなどを世に送り出した矢沢あい。2000年の読切から始まったNANAは、作者の体調不良によって2008年から休載中である。 おしゃれな絵柄と魅力的なキャラクターたち…

すごく“大丈夫”な永遠の別れ

「葬式なんて残された人たちのためのお祭りじゃん、っていつも白けた気持ちでいたけど、あんなの可愛いもんだったよね」 清潔な病室でニナはため息をついた。どんなに医療が発展しても、人間は死ぬ時は死ぬ。若くても、才能があっても、どんなに愛されていよ…

全自動お茶汲みマシーンマミコと女友達

マミコちゃんって、女友達少なそうだよね。 金曜の夜、小洒落たフレンチレストラン。マッチングアプリで出会って新しく彼氏(同時進行4人目)となったハルキの言葉に、マミコは少し首を傾げて微笑む。どうして? ハルキは上機嫌にワインを飲み干し、グラスを…

きみは傍観者

夕日の差し込む教室で、整列した机を眺めていた。何十年もこの学校に閉じ込められて、教科書やお弁当、女子高生の尻を乗せ続けてきたわりに、上品な面構えだと思った。 廊下から足音がした。足音だけでアオイだとわかった。お父さんの影響で、あらゆる武道や…

いっそあなたに恋ができたら

大学の同期のリコちゃんは、いわゆる恋愛体質だ。常に好きな人がいて、その人の彼女になったりセフレになったり、どうにもならなかったりで、キャンパスライフは彩り豊かだ。常に情報を送受信する彼女のスマホは過労死寸前。使い込んだグッチのバッグには、…

同情するなら彼をくれ!

妹は、わたしの夫が好きらしい。 --- 30歳の誕生日に大失恋して、その足で結婚相談所に駆け込んだ。年収・身長・年齢などのあらゆる数値のお見合いをして夫と出会った。入籍は31歳になる2ヶ月前だった。 お互いのゴールは結婚であり、それを達成してしまった…

令和本命会議

ーーこの男、やはり他にも女がいる!! 夏野ナツコが天啓を受けたのは、ある静かな夜のことだった。彼氏の春川ハルキは憎らしいほどスヤスヤと、穏やかな寝息を立てている。 神は言った。ただちに他の女どもを蹴散らし、あなたこそが本命であると証明するべ…

悪意を垂れ流すあなたのことが、もはや恋より純粋に、

「あんたが男だったら良かったのに」とヒメちゃんはよく言うけれど、実際わたしが男だったら相手にされないのはわかっています。 ヒメちゃんは空気を読めないし、気分屋ですぐ不機嫌になる。自分の感情が最優先で、昨日まで一方的に無視していた相手に「彼氏…

わたしをアンチにさせないで

人生で1番幸せだったのは、高校時代と断言できる。鈴香ちゃんがいたからだ。エスカレーター式の女子校に、高等部から編入してきた水野鈴香ちゃん。思ったことはすぐ口にして、大きな声でアハハと笑う。開けっ広げで明るくて、のんびりしたお嬢様校(笑)の中…

はいはい、わたしがやりました。

え、サオリさんがネットで中傷? インスタですか? うそ、フリマアプリまで? なんだか最近、投稿少なくなったなとは思ってたんですけど……そういうことだったんですね。 うわぁ、かなり酷いですね。サオリさんあんなに良い人なのに。こういうのって、やっぱ…

うさぎとカメ#カメのかなめちゃん

※こちらの話とリンクしています 昔々、従姉妹と一緒にお受験し、ひとりだけ落ちた女の子がいました。わたしです。 「ほら、うさぎとカメなのよ。うちの子うさぎなだけだから」 親族のお花見で、ほろ酔いの叔母さんがそう言った瞬間、わたしは『カメちゃん』…

うさぎとカメ#うさぎのサキちゃん

いとこのカメちゃんとは、小さい頃から仲良しだった。カメちゃんというのはもちろんあだ名で、童話のうさぎとカメからきている。 わたしとカメちゃんの母親どうしが姉妹で、娘のわたしたちは同い年。自分で言うのも何だけど、わたしは容姿とコミュ力にそれな…

宮田和成は親友の形見

「もう帰っちゃうの?」 甘える腕をふりほどき、わたしは彼の家を出た。 三軒茶屋の駅近マンション。とはいえ電車はとっくに終わってるから、もうタクシーに乗るしかない。あと数時間待てば始発が出るけど、ことを済ませた男の部屋で、時間を浪費する術をわ…

嘘つきロミオと絶対死なないジュリエット

幼い頃から神童と呼ばれ、すくすく育って天才となった。奇抜な発想・泣きぼくろ・ちょっと抜けてるところがチャームポイントの22歳です。 大学生になったわたしは、趣味でアプリの開発をしていた。簡単に言うと、アプリを入れたスマホから、嘘のメッセージを…

ヨウくんと女と女と女

2年前と同じく、よく晴れた気持ちのいい日だった。 日差しは柔らかく、風はさわやかで、まさに結婚式日和。チャペルはステンドグラスが素敵だったし、披露宴会場は天井が高くて開放感がある。見事な庭園を絵画みたいに切り取る窓。テーブルやブーケにあしら…

ワンナイトラブにラブはあるのか

花から花へ、蜜を吸うようにワンナイトラブを繰り返しているわたくしですが、先日ひとりの友達に「何がワンナイトラブだよキモ、どこがラブだよマジキモい、ヤリ捨てされてるだけじゃんほんとキモ」と言い捨てられて、思うところがあったのでこうしてブログ…

全員うるせえ、特にお前

「あのさぁ、マジでいいかげんにして」 そう言ったなっちゃんの視線は鋭く、体に穴が空きそうだった。何も言わないところからして、亜由たちも同じ気持ちなんだろう。男子は状況が飲み込めず、遠慮がちな視線をいったりきたりさせている。 なっちゃんの言う…

枕営業なんてしません

あれ、西條さんですか? わぁ嬉しいな、お久しぶりです! 今日は出張だったんですか? あぁ、あの新しいビルの案件、西條さんが担当なんだ。さすが、うちの元エース。……ううん、2年も経ってないですよ。先輩が本社に異動して、まだ1年と8ヶ月。 はい、今は定…

ねとられ女と愛の盗難

こちらから読むとわかりやすいです↓ www.yoshirai.com ねとられ女と"愛の盗難" お疲れ様。ごめん、待った? 呼び出した理由、わかるよね。そう。あなたが私の彼氏を寝取った件です。別に謝ってほしいんじゃないんだけど……で、どっちから? ……そう、絵里から…

ねとり女と"正解の男"

ううん、全然待ってない。お仕事お疲れ様。何か飲む? ……うん。呼び出された理由、わかるよ。宮田さんのこと、だよね? ごめんなさい。佳奈ちゃんが怒るのも当然です。どっちから……。わたしから、になる、と思います。違う、違うの。佳奈ちゃんは大事な友だ…

死者とセックス

「また死者とセックスしてしまいました」 そんな報告が空を飛び、彼女の手の中に届く。 死者とセックス わたしと紗江ちゃんは合コンで出会った。当日になって女の子が1人来れなくなり、急遽呼ばれたのが彼女だった。 わたしと合コン幹事は会社の同期で、幹事…

全自動お茶汲みマシーンマミコと無敵の主人公

カラン。アイスティーの氷が溶けて涼しげな音をたてる。恵比寿のカフェで、マミコは人を待っていた。 10分もしないうちに、大柄な女性が息を切らせてやってきた。彼女はしきりに遅刻を詫びて、色褪せて固そうなタオルハンカチで汗を拭った。マミコはコスメデ…