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わたしのブログ

全自動お茶汲みマシーンマミコ

全自動お茶汲みマシーンマミコと痴漢

※記事内のamazonリンクはアフィリエイトです! マミコの会社の始業は8:30だ。間に合うように出社するには、通勤ラッシュの満員電車に乗らなくてはならない。寿司詰め状態とは言うけれど、電車に詰め込まれた人間よりは、寿司の方がまだ人権がある。マミコは…

全自動お茶汲みマシーンマミコとセクハラ

ここ数年、コロナによって封印されていた飲み会とかいう悪しき風習が、ついに復活してしまった。マミコの勤める会社では、飲み会の出欠においてバインダーに挟んだ紙を回すという古来からの方式が採用されている。名前の横に出欠を表す◯×を記入し、×の場合は…

全自動お茶汲みマシーンマミコと愛の日々

気づけば2ヶ月、マミコはプライベートでテツくん以外に会っていない。金曜の夜から日曜の夕方まで、テツくんの部屋で過ごす週末を繰り返している。テツくんと正式に付き合い始めたわけではない。スガワラさんに捨てられ、自暴自棄になったテツくんのそばに、…

全自動お茶汲みマシーンマミコと天罰

悪いことは続くもので、めちゃくちゃ好きな男が本命彼女にすがりつく様を見せられた翌週、知らない人からLINEが来たので見てみたら、不倫相手の奥さんだった。「お話ししたいことがあります」だそうだ。そりゃそうでしょうねとマミコは思った。 土曜日の午後…

全自動お茶汲みマシーンマミコと女友達

マミコちゃんって、女友達少なそうだよね。 金曜の夜、小洒落たフレンチレストラン。マッチングアプリで出会って新しく彼氏(同時進行4人目)となったハルキの言葉に、マミコは少し首を傾げて微笑む。どうして? ハルキは上機嫌にワインを飲み干し、グラスを…

全自動お茶汲みマシーンマミコの本命彼氏の本命彼女

仕事終わりに、珍しくテツくんから着信があった。テツくんとはマミコの家で会うのがほとんどだが、たまにデートみたいなこともする。マミコはマスクでも崩れないシュウのファンデ、アンリミテッドグローフルイド(※1)をロージーローザのジェリータッチスポ…

全自動お茶汲みマシーンマミコとマッチングアプリ

ごめんねマミコ、アプリ退会しちゃいました。 会って早々、ドリンクが運ばれてくる前に、レナは申し訳なさそうに言った。レナはマミコの高校時代からの友人で、今は大学職員として働いている。 アプリというのは、いわゆるマッチングアプリである。3年間彼氏…

全自動お茶汲みマシーンマミコと指輪とセックス、あと殺意

テツくんの言う、今日家行ってもいい? が今日生理じゃないよね? の意味だと知ったのは、大学3年の頃だった。 家に行ってもいい? を言葉通りの意味だと誤解した当時のマミコは、生理中にも関わらずテツくんを招いて夕食をふるまい、マークスアンドウェブの…

全自動お茶汲みマシーンマミコとマミコをぺしゃんこにする男

驚くべきことに、最近のマミコはひとりの男に入れあげている。テツトくん。広告代理店に勤めるサラリーマンで、マミコの大学時代の元カレである。 テツトくんとは大学3年から、1年半ほど付き合った。マミコが今の会社へ入社を決めるにあたって、彼と結婚する…

全自動お茶汲みマシーンマミコとマミコのことが大好きな男

3月14日、仕事終わってから会える? とショウタから連絡があったのは、3月のはじめのことだった。ショウタはマミコのことを彼女と思っている男のひとりで、今や1番の古株である。ナカモトショウタ、24歳。友人と起業した会社でゲームやアプリを作っている。 …

全自動お茶汲みマシーンマミコと他人の夫

あ、と言われてげ、と思った。 ここはアウトレットモール内のカフェ。ひとりで休憩していたマミコの隣の席にやってきた夫婦。声を出したのは夫の方で、今それを悔いているであろう彼は、マミコの会社の営業部長・セリザワさんだった。 仕方なくマミコは立ち…

全自動お茶汲みマシーンマミコと伝統(笑)

マミコの会社に新しく事務員が入った。新入社員のスミちゃんはマミコよりひとつ年下である。 マミコの会社には昭和の残り汁につけたボロ雑巾みたいなクソルーティンがあり、1番年下の事務員が毎日こなすことを義務付け……いや、『期待』されていた。マミコの…

全自動お茶汲みマシーンマミコとセックス

マミコは今、セックスをしている。 場所は渋谷区のマンションの一室。物の多い部屋に間接照明がぼんやりした光を投げる。マミコは全自動性欲処理マシーンとして、新鮮な喘ぎ声を製造・提供するお仕事に励んでいた。あんあん。そして頭では、部屋に馴染まない…

全自動お茶汲みマシーンマミコとデート

マミコにはこれといった趣味はないが、強いて言うならデートである。マミコの中でのデートの定義は『自分を性的対象としている異性と2人で出かけること』だ。週に何度かのデートに向けてコスメを買ったりコーディネートを考えたり、そういう時間が1番楽しい…

全自動お茶汲みマシーンマミコと無敵の主人公

カラン。アイスティーの氷が溶けて涼しげな音をたてる。恵比寿のカフェで、マミコは人を待っていた。 10分もしないうちに、大柄な女性が息を切らせてやってきた。彼女はしきりに遅刻を詫びて、色褪せて固そうなタオルハンカチで汗を拭った。マミコはコスメデ…

全自動お茶汲みマシーンマミコと恋人

マミコには現在恋人はいないが、マミコを恋人だと思っている男は4人いる。年齢は24歳から46歳、職業はゲームクリエイター、営業マン、ジムインストラクター、公務員。ここに近々29歳大手出版社が加わる予定だ。 金曜日、久しぶりに高熱が出た。週末の予定は…

全自動お茶汲みマシーンマミコと後輩指導

マミコの後輩が入社してきたのは、昨年のちょうどこの時期のことだ。 専務の遠縁の親戚か何かで、いわゆるコネ入社である。日本有数の名門大学に現役合格したにも関わらず、半年経たずに中退したらしい。

全自動お茶汲みマシーンマミコと女の敵は女な女

ある日の午後、マミコは中目黒のイタリアンレストランにいた。向かい合うのは坂口健太郎似の好青年。……であれば良かったのだが、残念ながら女子大時代の先輩だった。

全自動お茶汲みマシーンマミコと美容

マミコは美女ではない。中の中だと思っている。 それでも周りの女達よりいつも少しだけ優遇されてきたのは、可愛いを作ってきたからである。マミコは自分の容姿を知っている。欠点は鼻筋は通っているが少々団子鼻なこと、唇が薄いこと、目が少し離れているこ…

全自動お茶汲みマシーンマミコと年齢

全体的に幼い印象を与える顔なので、マミコは20代後半の今でも学生に間違われることがある。 同級生と合コンに行っても、男側から「後輩?」と聞かれる。友人たちの反感を買わぬよう、同い年だとさらりと答えながら、内心優越感を抱いていた。 若く見えるこ…

全自動お茶汲みマシーンマミコと就職

今でこそ全自動お茶汲みマシーンのマミコだが、もちろん産まれたときから全自動お茶汲みマシーンだったわけではない。 出身は北関東で、両親の他に姉がいる。要領と愛想のいいマミコは、周りから可愛い可愛いと言われて育った。勉強も苦手ではなかったので、…

全自動お茶汲みマシーンマミコ

マミコはOLだ。都内のメーカーに勤めている。 事務員はマミコを含めて8人。20代はマミコひとりだが、去年入社した19歳の後輩がいる。けれど彼女はかなりのコミュ障なので、現在『若い女』の役割はマミコひとりが担っている。