ゆらゆらタユタ

アラサーとゆとりを取り巻くもろもろ

家族にもなれないくせにバカみたい どうせ離れていくのに何なの

(こちらの話とリンクしています) 去年の誕生日、彼から花束をもらった。わたしの好きなダイヤモンドリリーがふんだんに使われた大きな花束。幸せな気持ちで花束に顔をうずめるわたしに向かって彼は言った。 「30歳。俺に捨てられたら、無職の家無し30女に…

好きなんて言うなクソボケ嘘つきが 一生タワマンから出るな

あなたが指定したカフェはどの駅からも微妙に遠く、しかもその日は雨でした。約束時間の5分前。わたしは入り口の前でお気に入りの傘についた雫を払い、愛想の良い店員に待ち合わせだと伝えました。 通された席は窓際で、ひんやりとした空気に足先からスカー…

ふりむくな君は #1

「私が見えるの?」 自分に霊感があると知ったのは、高校の入学式だった。自分が一番乗りのはずの教室に女の子がいた。手足が長くて色白で、横顔のラインが美しい。机の上に軽く腰掛け、窓の外をぼんやり眺めていた。 わたしが思わず見惚れていると、彼女が…

それはテメェが悪いです

最近マユカの様子がおかしい? いつものことじゃないですか。はぁ、最近輪をかけて……? サナダさん、何かしたんですか。 ………………びっくりした。いや、こういう時ってだいたい「心当たりはないんだけど」って続くじゃん。不倫してたの? そんでバレたの? コワ…

私じゃダメかと言われても!

はじめてSNSに載せられるタイプの彼氏ができてラッキー! 結婚しようって言われてハッピー! って思ってたら浮気が発覚。最初こそとぼけていた彼は、動かぬ証拠を突きつけられて平謝りしたが、こちらに許す気がないとわかると逆ギレに転じた。それからマウン…

夫が不倫していたので、チキンナゲットをめちゃくちゃ食べる

気持ちのいい春の土曜日です。みなさまいかがお過ごしですか? わたしは泣いています。既婚のみんな! 結婚して2年経っていないのに、夫の不倫相手に突きつけられた200万円の札束抱えてベッドから天井見上げてるやついる? いねぇよなぁ!!? つーわけでゲ…

晴橋ヒナコさんへ

晴橋ヒナコさん。 これは全世界へ公開された、あなたひとりへの手紙です。アイキャッチに使った黒猫の写真は、一見なんでもない画像だけれど、あなたにはいつどこで撮られた写真か一目でわかると信じています。名前を晒すことになってごめんなさい。名前の漢…

恋の魔法は一瞬で

(※恋人間の暴力描写があります。苦手な方はご注意ください)バイト先で一目惚れしたたっちゃんは、当時ハタチの大学生だった。切長の目、尖った鼻、薄い唇、黒髪、ちょっとダサいTシャツと汚れたスニーカー、身長、声、爪の形、右上がりの癖のある字。あり…

私の妹にならないひと

中学の頃、隣のクラスの不良の奥山くんに「このままだとお前は絶対にいじめられ心身ボロボロになり家に火をつけられる。俺が守ってやるのでやらせろ」と言われた。やらせた。初体験だった。 3年間、定期的に奥山くんに呼び出された。友達はできなかったけど…

兄の妻になるひと

兄が「結婚したい人がいる」と言うので、相手は当然ハナちゃんだと思った。兄とハナちゃんは高校時代からの付き合いで、お互いの家族も公認の仲。わたしを本当の妹のように可愛がってくれたハナちゃん。彼女が東京の大学に進んだ時は別れてしまうのではと心…

大企業に転職したらデスゲームの運営担当だった件

「栗原さんは総務部に配属予定でしたが、実は社内の極秘プロジェクトでご活躍いただきたいのです」 セクハラジジイとパワハラババアの跋扈するこの世の地獄のようなブラック企業に勤めて2年。社長を殺すか転職するかの二択で迷っていたところ、ダメ元で受け…

アヤちゃんと3人のトモダチ #平子

(※こちらの話とリンクしています) これまでの人生で、他人から言われていちばん腹が立ったのは、「空気の読めないフリをしないで」。相手は大学の友人・アヤだった。 --- わたしの育った平子家の家訓は、「いま言わないなら黙ってろ」である。 親は子供は3…

アンチ活動結果報告(2)

(この話の続きです) 「株式会社白井システム所属、明城大学出身の広田ナコさん。インスタもTwitterも本垢抑えてます。逃げるなら全部晒すから」 『り』と名乗った女の子、YouTuberのシマレナのアンチだったはずのその人は、どう見てもシマレナ本人だった。完…

アンチ活動結果報告(1)

――ご趣味は?――動画鑑賞と、SNSでの中傷です。 映画でもドラマでもバラエティでもなく、わたしはYouTubeが好きだ。特にアイドルや美容系が好き。配信者が使ってるコスメをよく買う。ていうか、今はそうじゃなきゃほぼ買わない。 シマレナを見つけたのは偶然…

全自動お茶汲みマシーンマミコと天罰

悪いことは続くもので、めちゃくちゃ好きな男が本命彼女にすがりつく様を見せられた翌週、知らない人からLINEが来たので見てみたら、不倫相手の奥さんだった。「お話ししたいことがあります」だそうだ。そりゃそうでしょうねとマミコは思った。 土曜日の午後…

仕事も社内恋愛も無理です

ミスの多い生涯を送ってきました。 「添付ファイルをご確認ください」と書いたメールをファイルを添付せず送り……なんてのは全然可愛い方で、取引先の偉い人の名前を間違え、発注数のケタをミスって途方に暮れ、コピー機を詰まらせ、共有ファイルを削除し、社…

「わたしを離さないで」―花壇で枯れてゆく花たち

ふと本屋で見かけたので、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を買った。 10年ほど前に読んだ記憶があり、TBSのドラマも観ていたので、流れは把握していた。それでも読んで良かったので、こうして記事を書いている。 ここから先は作品の内容・結末に触…

彼は顔だけは殴らない

突然ミサキから呼び出されて、何かと思えば夫が暴力を振るうとか。ミサキの夫のヒサノリはわたしの地元の友達で、同じマンションで育った幼馴染だ。5年前、ミサキに彼を紹介したのがわたし。結婚式では「ふたりのキューピッドのアイさんです」と壇上に引っ張…

3人でいても、ふたりとひとり

高校入学初日から卒業までを、ニイナとハヅキと一緒に過ごした。ふたりとも大好きだけど、奇数のグループって難しくて、どうしてもふたりとひとりに感じる時があった。ニイナとハヅキ、それからわたし。境界線はすっごく薄い膜みたいで、無視することも、見…

わたしという餃子の爆発

今から不倫相手への憎悪を語りますが、「不倫女が何言ってんだ」みたいなところは一旦棚に上げさせてください。これはわたしのわたしによる、わたしのための文章です。 思わず地獄短歌です。 「妻とはセックスどころか会話もなく、離婚秒読み家庭内別居」と…

不幸になったら愛されて幸せ♡

小学校に上がる頃には、母親に好かれていないと気付いていた。「好かれていない」というよりも、「嫌われていた」が近いかもしれない。母は常識があって責任感の強い人だから、兄ふたりとの露骨な差別や虐待はなかった。けれど、ふとした瞬間の表情や、言葉…

アヤちゃんと3人のトモダチ#しーちゃん

(※こちらの話とリンクしています。) ユリノから「婚約した」と聞いた時、私たちは新大久保で韓国料理を食べていた。 「おめでとう!」と平子が声を上げ、改めてノンアルコールで乾杯した。数年に及んで元彼を引きずっていたユリノが、新しい彼氏とトントン…

悲劇ならわたしの視界の外で

え、どうしたのこれ。婚約祝い? うそ、ありがとう。開けていい? わぁ可愛いグラス! この作家好きなんだよね。あ、そっか。前に一緒に展示を見に行ったね。 大事にする。……でもわたし、婚約のことアヤに言ったっけ。 // そう、平子のインスタで婚約パーテ…

わたしたちは友達なので

「いじめられてるの?」なんて訊かれて「はい」って言える人間が、言えると思ってる人間が、わたしはまったく理解できない。 担任の徳田先生は、言えると思ってる側の人らしかった。平静を装っているけれど瞬きが多いし、机の上で組んだ手の動きが忙しない。…

死んだので、デリバリー怨霊デビューします。

キキーッ!ドーン!ぁたしゎ死んだ。 それは散歩中の事故だった。週末に締め切りを2本抱えて頭も原稿も真っ白なわたしは、「アイディアが浮かばないのは部屋で引きこもってるからでは?」と思い立って部屋を出た。コンビニに寄り、ストロングゼロに手が伸び…

ガラスのクツも金次第

昔々、あるところにシンデレラという美しい娘がおりました。父親の再婚相手とその娘たちはマジでとんでもない性悪で、父親の死によってそれは加速しました。姉たちが散財を極める中、シンデレラは無料家政婦としてこきつかわれ、毎日のように因縁をつけられ…

わたしは彼のプリンセス

あ、待って。なにこの空気。 さっきからふたりで目配せして……絶対なにかたくらんでるでしょ。 あー、絶対それ言われると思った。今日はその話題はやめようよ。なぜって、うそ、知らないの? 28歳以上の恋バナは法律で禁止されたんだよ。テレビのニュース見て…

今、あなたの最寄りにいます。

ちやほやされるのが好きだった。それは事実です。 大学時代から付き合っている彼とはすでに家族のような関係で、安心感がハンパなく、別れることは考えられない。趣味と笑いのツボが同じで顔が好き。 手も繋がなくなって久しいけれど、寝息を立てる彼の長い…

人形をクラスメイトとして扱うことを求められた話

※人名はすべて仮名です。 成人式の日、久しぶりに地元の友人たちに会った。中学から私立に進み、地元とは少し距離ができていたわたしは、最初は同窓会への参加すら迷っていた。けれど会ってしまえば次々と記憶が蘇り、素直に再会を喜べた。 少し参加者の減っ…

愛のため戦え!

姉は常軌を逸した面食いだった。 好きになる男は全員飛び抜けて顔が良く、「ダサいけどよく見たら」という隠れイケメンではなくて、自分の美しさを自覚して飾り立てる男たちだった。20代の姉は、深夜でも呼びだされればタクシーに飛び乗り、しょっちゅう泣か…