ゆらゆらタユタ

わたしのブログ

女友達との決裂

3代目のメル

「のどかちゃん、亡くなったんだって」久しぶりの母からの電話は、幼馴染の死亡を伝えるものだった。まだ肌寒い3月の夜、彼女の遺体は近所の海辺で発見された。遺書はなく、事故とも自殺とも判断がつかないのだという。 「それで、のどかちゃんのお母さんが…

わたしはいつも選ばれない(とか言ってるからダメなんだろな)

わたしたちの友情が壊れたのは数年前の忘年会で、場所は地元の居酒屋だった。これといった特色のない個人経営の飲み屋で、1階が調理場とカウンター、2階が座敷になっている。 わたしとハルノ、リオナとシホとアスカの5人は中学時代の同級生だ。どんなに忙し…

【書籍試し読み】まだ「女の子」やってるの?

「びっくりした。まだみんな『女の子』してるんだね」 自分の口から出た言葉が、思ったよりも意地悪な響きを含んでいたので、当のわたしが驚いた。 この日は友人のマリアの結婚式だった。高校時代から華やかで目を引く存在だったマリアは、楽しみつくした20…

平行線のあなたとわたし

「最低、本当に最低。今すぐ死んでほしい」 こんにちは。現場の幡野です。ここは大学の空き教室。寒いくらい冷房が効いています。今すぐリュックから上着を取り出し羽織りたいのは山々ですが、それも厳しい状況です。なぜなら教室にいるのはわたしとアキナち…

【試し読み】家族にもなれないくせにバカみたい どうせ離れていくのに何なの

(こちらの話とリンクしています) 去年の誕生日、彼から花束をもらった。わたしの好きなダイヤモンドリリーがふんだんに使われた大きな花束。幸せな気持ちで花束に顔をうずめるわたしに向かって彼は言った。 「30歳。俺に捨てられたら、無職の家無し30女に…

好きなんて言うなクソボケ嘘つきが 一生タワマンから出るな

あなたが指定したカフェはどの駅からも微妙に遠く、しかもその日は雨でした。約束時間の5分前。わたしは入り口の前でお気に入りの傘についた雫を払い、愛想の良い店員に待ち合わせだと伝えました。 通された席は窓際で、ひんやりとした空気に足先からスカー…

アヤちゃんと3人のトモダチ #平子

(※こちらの話とリンクしています) これまでの人生で、他人から言われていちばん腹が立ったのは、「空気の読めないフリをしないで」。相手は大学の友人・アヤだった。 --- わたしの育った平子家の家訓は、「いま言わないなら黙ってろ」である。 親は子供は3…

アヤちゃんと3人のトモダチ#しーちゃん

(※こちらの話とリンクしています。) ユリノから「婚約した」と聞いた時、私たちは新大久保で韓国料理を食べていた。 「おめでとう!」と平子が声を上げ、改めてノンアルコールで乾杯した。数年に及んで元彼を引きずっていたユリノが、新しい彼氏とトントン…

悲劇ならわたしの視界の外で

え、どうしたのこれ。婚約祝い? うそ、ありがとう。開けていい? わぁ可愛いグラス! この作家好きなんだよね。あ、そっか。前に一緒に展示を見に行ったね。 大事にする。……でもわたし、婚約のことアヤに言ったっけ。 そう、平子のインスタで婚約パーティの…

ねとられ女と愛の盗難

こちらから読むとわかりやすいです↓ www.yoshirai.com ねとられ女と"愛の盗難" お疲れ様。ごめん、待った? 呼び出した理由、わかるよね。そう。あなたが私の彼氏を寝取った件です。別に謝ってほしいんじゃないんだけど……で、どっちから? ……そう、絵里から…

ねとり女と"正解の男"

ううん、全然待ってない。お仕事お疲れ様。何か飲む? ……うん。呼び出された理由、わかるよ。宮田さんのこと、だよね? ごめんなさい。佳奈ちゃんが怒るのも当然です。どっちから……。わたしから、になる、と思います。違う、違うの。佳奈ちゃんは大事な友だ…