ゆらゆらタユタ

アラサーとゆとりを取り巻くもろもろ

ちょうどいいブスは自分の中で完結してくれ


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今月のはじめ、芸人の山崎ケイさんの著書「ちょうどいいブスのススメ」のドラマ化が話題になっていた。

www.ytv.co.jp

 

ネットで拾える情報を拾って、まず思ったのはこういうことだった。 

と、いうわけで本を買ってきた。

最後まで読んではみたものの、「想像以上に想像通りの内容だったな」というのが正直なところだ。そして想像以上に「ちょうどいいブス」のハードルは高く、一般の女子に「ススメ」られるような内容ではないと思った。逆に「ちょうどいいブス」を自称して今より幸せになれるのはどんな子だろうと考えてみたが、こういう感じではないだろうか。

  • もともと自分に自信があって
  • なんならそこそこモテてきて
  • セックスが好きで
  • メンタルが強く
  • 頭の回転が早く
  • コミュニケーション能力が高い

山崎ケイさんは「ちょうどいいブスを自覚してからの方がモテるようになった」と色々なところで発言しているけれど、今ほどでなかったとしても、彼女は昔からモテてきた人なのだ。「自分のことを大好きな人としか付き合ったことがない」と言う通り、愛された経験のある人だ。

誠子「今まで何人もケイちゃんみたいにブスの自覚なくお笑いの世界に入ってその後ブスいじりされて芸人の世界から去っていったブスを私何人も見てきたから、ケイちゃんも絶対に続かないと思ってた」

山崎ケイ「ちょうどいいブスのススメ(主婦の友社)」より

自覚がなかった山崎さんがいじりに耐えられ、それを逆手にとる処世術を編み出せたのは、「ブスいじりをされる前に強固な自信が出来上がっていたから」に尽きると思う。生まれつきなのか、過去愛されてきた実績からか、もしかしたら学歴とか、頭の回転の速さによって培われてきたものかもしれない。

 

わたしは「人の外見はパッケージ、自信はその上のラッピング」みたいなものだと思っている。美人じゃなくてもスゴいモテ方をする人はわりといて、そういう人はラッピングがすごく上手だ。山崎さんはきれいで頑丈なラッピング=自信がもともとあったから、ブス扱いにも負けなかったし、「ちょうどいいブス」という新たなウリを手に入れて、ますますモテが加速しただけだ。

 

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枕営業なんてしません

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あれ、西條さんですか?

わぁ嬉しいな、お久しぶりです!今日は出張だったんですか?あぁ、あの新しいビルの案件、西條さんが担当なんだ。さすが、うちの元エース。……ううん、2年も経ってないですよ。先輩が本社に異動して、まだ1年と8ヶ月。

 

はい、今は定時過ぎたらこんな感じです。先月はわりと忙しくって、みんな残業してたんですけど。

部長ですか?部長は今でも毎日遅くまでいます。ただ今日は、めずらしく早く帰ってますね。会食だって言ってたかな?

 

今日先輩が来たの知ったら、みんな残念がりますよ。わたし残っててラッキーだったな。……いや、わたしだけが残業っていうか、なんか色々、引き継ぎとかで……。

 

あ、違います辞めないですよ。引き継ぎ、受ける方なんです。

もうすぐ主任が産休なんですけど、わたしが後任になったんです。……いやいや、全然めでたくないです。内示もなしに、突然みんなの前で発表されて。だから引き継ぎに時間とられて、自分の仕事は定時後に。

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いつかあなたを裏切るわたし

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昼間のカフェで彼氏の不満を口にする女が嫌いだった。口から出る愚痴、入っていくケーキ。

 

ゆるやかに、けれど延々と悪口は続く。そう、悪口。でも悪口だと言われたら、「そんなつもりはないんだけど」と、彼女は唇を尖らせるだろう。となりのテーブルのカップルにも、ちょっとかっこいい店員さんにも、誰に聞かせても問題のない、『悪口』。

 

「あんたはうまくやってるの?」

「うん、まあ」

「優しそうな彼氏だもんね」

うん、まあ。

少なくとも、白桃のタルトに添えられるような不満はない。

「洗面所に髪の毛が落ちていた」という理由で叩き起こされて、正座で説教→リモコンで殴打→挙げ句に外に放り出されたクリスマスーー愚痴をこぼし続ける女友達が、お店の予約を忘れた恋人にブチ切れたのと同じ日のことーーの話をするには、このカフェはちょっと、日当たりが良すぎる。

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平面女より愛をこめて

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「連絡、来るって思ってました。

あのお別れから約1年。

あの子とはまだ続いてるんですね。ううん、いいの。大丈夫。だってもうすぐ終わるから。あなたはわたしのところに帰ってくるって、最初からわかっていましたよ。

 

あの日、あなたに言われた言葉、今でもはっきり覚えています。
『お前は子供っぽく、ワガママで頭が悪い。ファッションと芸能人とブランド物にしか興味がなくて、政治や経済のことは知らないし、無知を恥じる知性すらない』。


回りくどかったけど、要するにそういうことでしたよね。対するあの子は、

『頭の回転が早く勉強家で、自分の知らない世界を知っている。精神的に自立しており、議論ができるので、お前といるときのようなストレスがない』。


そうね、そうだと思います。

わたしより、あなたより、高いところで生きてきたあの子。

海外育ちで、大学時代はリュックひとつで世界を旅してーー別れ話の席なのに、そういうあの子の体験を、自分のものみたいに語るあなたは、熱に浮かされたみたいで、目がキラキラしていて、ちょっと可愛くて、滑稽で、わたしを死にたくさせました。

 

でも、あなたのその首は、ずっと上を見ていられるようには出来ていません。すごく疲れたんじゃないですか?


あなたが女としたい『議論』って、知識を披露するゲームですよね。彼女が知識の七並べに付き合ってくれて、いつもギリギリのところで負けてくれて、敵わないなって笑ってくれる女の子だったら、わたしに勝ち目はなかったでしょう。

 

あなたは結局、わたしみたいな頭の悪い女が好きじゃないですか。でも、頭の悪い女が好きってダサいいし、認めたくないですよね。わかる(笑)

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全自動お茶汲みマシーンマミコと他人の夫

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あ、と言われてげ、と思った。

ここはアウトレットモール内のカフェ。ひとりで休憩していたマミコの隣の席にやってきた夫婦。
声を出したのは夫の方で、今それを悔いているであろう彼は、マミコの会社の営業部長・セリザワさんだった。

 

仕方なくマミコは立ち上がり、明るい声を意識して言う。セリザワさんじゃないですか。今日はご夫婦でデートですか?

そして奥さんの方に向き直り、会釈。はじめまして、ノガミです。いつもセリザワさんにはお世話になってます。

ちなみにマミコとセリザワさんはここ数年、定期的にセックスをする仲だが、もちろんそのことは口にしなかった。



セリザワさんの奥さんは色の白い、優しそうな女性だった。長い黒髪をひとつに束ね、ゆったりとしたワンピースと、同系色のカーディガンを着ている。左手に銀の結婚指輪。斜めがけのコーチのバッグ……に、ついているマタニティーマーク。

 

マミコの視線に気がついて、奥さんはお腹に手をあてて微笑む。この歳でちょっと恥ずかしいけど、3人目なの。

わぁ、おめでとうございます!
日ごろ全自動お茶汲みマシーンとして生きている甲斐あって、マミコはスムーズに祝福の言葉を返すことができた。

(ちなみにセリザワさんからは、妻とは長い間セックスレスだと聞いていたのだが、その設定はどこにいったのだろう?それともセックス無しで受胎したのか?奇跡を見たなとマミコは思った。)

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「こんなファッションは痛い」特集に慰められていたころの話

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今朝タイムラインを眺めていたら、この記事が炎上していた。

otonasalone.jp

上品さや清潔感とは対極の位置にあるロックTシャツは、10代〜せいぜい20代前半までしか許されないアイテムです。精神的に大人になり切れていないのかな、常識がなくて変わった人なのかな、と思われたくなければ、部屋着やパジャマにするのもやめて、こっそり思い出とともにしまうか、断捨離リストへ入れてください。

 「許されないアイテム」「大人になり切れていない」「常識がなくて変わった人」。

強い言葉が並んでいて、読む人が不愉快になるのも無理はない。けれど、わたしはこういう記事を書く人と、こういった記事を求める人の気持ちがわかる。まとまらないかもしれないが、そのことについて文章にしてみたいと思う。

 

「若いうちしか着れないよ」

 子供の頃、わたしはピンクやひらひらのついた洋服が着られない子供だった。親が買ってくれなかったのではなく、わたし自身がそれを拒否した。無理強いはされなかったが、「せっかく女の子を産んだのに」と母親は残念そうだった。

 

 当時、地元でロリータ風の女性を見かけることがあった。フリルのついたスカートのふんわりとしたシルエットや、頭にのせた大きなリボンを今でもはっきり覚えている。年齢は30代後半か、40代くらいだったと思う。近所ではちょっとした有名人だった。

 

「若い頃に可愛い格好しておかないと、年をとってからああなっちゃうかもよ」

その人とすれ違ったあと、わたしにだけ聞こえる声で、母がそう言った。たぶん冗談だったんだと思う。でも、「ああなっちゃう」ーー年齢にそぐわない装いは、とても恥ずかしいことだという考えは、頭に植え付けられて残った。

 

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全自動お茶汲みマシーンマミコと伝統(笑)

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マミコの会社に新しく事務員が入った。新入社員のスミちゃんはマミコよりひとつ年下である。

 

マミコの会社には昭和の残り汁につけたボロ雑巾みたいなクソルーティンがあり、1番年下の事務員が毎日こなすことを義務付け……いや、『期待』されていた。マミコの次に入った後輩は震えながらクソルーティンを拒否したため、入社以来、マミコがその役割を押し付けられてきたのだが、ついにバトンを渡せる日が来たようだ。

 

スミちゃんが入社して1週間。マミコはクソルーティンの存在を伝えた。スミちゃんはげぇ、という顔をしたが、次の日1時間前に出社してマミコとクソルーティンをこなした。内容は茶葉やコーヒーの補充やゴミ捨て、簡単な掃除やお茶出しなどなので、難しいことは何もない。じゃあ明日からよろしくね、とマミコは当たり前みたいな笑顔をつくった。若い女子社員だけが毎朝1時間も無償の奉仕をさせられていることに一切の疑問を持たない様子で、あっさりと。お茶汲みマシーンはタスクに疑問を抱いたりしない。

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