ゆらゆらタユタ

アラサーとゆとりを取り巻くもろもろ

仕事も社内恋愛も無理です

ミスの多い人生を送ってきました。 「添付ファイルをご確認ください」と書いたメールをファイルを添付せず送り……なんてのは全然可愛い方で、取引先の偉い人の名前を間違え、発注数のケタをミスって途方に暮れ、コピー機を詰まらせ、共有ファイルを削除し、社…

「わたしを離さないで」―花壇で枯れてゆく花たち

ふと本屋で見かけたので、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を買った。 10年ほど前に読んだ記憶があり、TBSのドラマも観ていたので、流れは把握していた。それでも読んで良かったので、こうして記事を書いている。 ここから先は作品の内容・結末に触…

彼は顔だけは殴らない

突然ミサキから呼び出されて、何かと思えば夫が暴力を振るうとか。ミサキの夫のヒサノリはわたしの地元の友達で、同じマンションで育った幼馴染だ。5年前、ミサキに彼を紹介したのがわたし。結婚式では「ふたりのキューピッドのアイさんです」と壇上に引っ張…

3人でいても、ふたりとひとり

高校入学初日から卒業までを、ニイナとハヅキと一緒に過ごした。ふたりとも大好きだけど、奇数のグループって難しくて、どうしてもふたりとひとりに感じる時があった。ニイナとハヅキ、それからわたし。境界線はすっごく薄い膜みたいで、無視することも、見…

わたしという餃子の爆発

今から不倫相手への憎悪を語りますが、「不倫女が何言ってんだ」みたいなところは一旦棚に上げさせてください。これはわたしのわたしによる、わたしのための文章です。 思わず地獄短歌です。 「妻とはセックスどころか会話もなく、離婚秒読み家庭内別居」と…

不幸になったら愛されて幸せ♡

小学校に上がる頃には、母親に好かれていないと気付いていた。「好かれていない」というよりも、「嫌われていた」が近いかもしれない。母は常識があって責任感の強い人だから、兄ふたりとの露骨な差別や虐待はなかった。けれど、ふとした瞬間の表情や、言葉…

アヤちゃんと3人のトモダチ#しーちゃん

※こちらの話とリンクしています。 ユリノから「婚約した」と聞いた時、私たちは新大久保で韓国料理を食べていた。 「おめでとう!」と平子が声を上げ、改めてノンアルコールで乾杯した。数年に及んで元彼を引きずっていたユリノが、新しい彼氏とトントン拍子…

悲劇ならわたしの視界の外で

え、どうしたのこれ。婚約祝い? うそ、ありがとう。開けていい? わぁ可愛いグラス! この作家好きなんだよね。あ、そっか。前に一緒に展示を見に行ったね。 大事にする。……でもわたし、婚約のことアヤに言ったっけ。 // そう、平子のインスタで婚約パーテ…

わたしたちは友達なので

「いじめられてるの?」なんて訊かれて「はい」って言える人間が、言えると思ってる人間が、わたしはまったく理解できない。 担任の徳田先生は、言えると思ってる側の人らしかった。平静を装っているけれど瞬きが多いし、机の上で組んだ手の動きが忙しない。…

死んだので、デリバリー怨霊デビューします。

キキーッ!ドーン!ぁたしゎ死んだ。 それは散歩中の事故だった。週末に締め切りを2本抱えて頭も原稿も真っ白なわたしは、「アイディアが浮かばないのは部屋で引きこもってるからでは?」と思い立って部屋を出た。コンビニに寄り、ストロングゼロに手が伸び…

ガラスのクツも金次第

昔々、あるところにシンデレラという美しい娘がおりました。父親の再婚相手とその娘たちはマジでとんでもない性悪で、父親の死によってそれは加速しました。姉たちが散財を極める中、シンデレラは無料家政婦としてこきつかわれ、毎日のように因縁をつけられ…

わたしは彼のプリンセス

あ、待って。なにこの空気。 さっきからふたりで目配せして……絶対なにかたくらんでるでしょ。 あー、絶対それ言われると思った。今日はその話題はやめようよ。なぜって、うそ、知らないの? 28歳以上の恋バナは法律で禁止されたんだよ。テレビのニュース見て…

今、あなたの最寄りにいます。

ちやほやされるのが好きだった。それは事実です。 大学時代から付き合っている彼とはすでに家族のような関係で、安心感がハンパなく、別れることは考えられない。趣味と笑いのツボが同じで顔が好き。 手も繋がなくなって久しいけれど、寝息を立てる彼の長い…

人形をクラスメイトとして扱うことを求められた話

※人名はすべて仮名です。 成人式の日、久しぶりに地元の友人たちに会った。中学から私立に進み、地元とは少し距離ができていたわたしは、最初は同窓会への参加すら迷っていた。けれど会ってしまえば次々と記憶が蘇り、素直に再会を喜べた。 少し参加者の減っ…

愛のため戦え!

姉は常軌を逸した面食いだった。 好きになる男は全員飛び抜けて顔が良く、「ダサいけどよく見たら」という隠れイケメンではなくて、自分の美しさを自覚して飾り立てる男たちだった。20代の姉は、深夜でも呼びだされればタクシーに飛び乗り、しょっちゅう泣か…

【NANA】小松奈々(ハチ)という女

気づいたらNANAだった 初めてハマった少女漫画がNANAだった。作者はご近所物語、パラダイス キスなどを世に送り出した矢沢あい。2000年の読切から始まったNANAは、作者の体調不良によって2008年から休載中である。 おしゃれな絵柄と魅力的なキャラクターたち…

すごく“大丈夫”な永遠の別れ

「葬式なんて残された人たちのためのお祭りじゃん、っていつも白けた気持ちでいたけど、あんなの可愛いもんだったよね」 清潔な病室でニナはため息をついた。どんなに医療が発展しても、人間は死ぬ時は死ぬ。若くても、才能があっても、どんなに愛されていよ…

暗黒のハーレム漫画「少年のアビス」を読もう

ワールドエンド・ボーイ・ミーツ・ガール「少年のアビス」を読んでいます。 昨年末から新刊が出るたびにtwitterでワーワー言ってるので、フォローしてくれている方は「またその話か」と思うでしょうが、その話です。 ※以下、最新刊までのネタバレを含みます…

全自動お茶汲みマシーンマミコと女友達

マミコちゃんって、女友達少なそうだよね。 金曜の夜、小洒落たフレンチレストラン。マッチングアプリで出会って新しく彼氏(同時進行4人目)となったハルキの言葉に、マミコは少し首を傾げて微笑む。どうして? ハルキは上機嫌にワインを飲み干し、グラスを…

14歳と『偽物の神様』

今月7日、衆院議員の「50歳と14歳と同意の上の性行為で、捕まるのはおかしい」という趣旨の発言に多くの批判の声が上がった。詳細を伝える記事やネットの反応を見て、真っ先にわたしの頭に浮かんだのは、島本理生さんの小説「ファーストラヴ」の中の「偽物の…

きみは傍観者

夕日の差し込む教室で、整列した机を眺めていた。何十年もこの学校に閉じ込められて、教科書やお弁当、女子高生の尻を乗せ続けてきたわりに、上品な面構えだと思った。 廊下から足音がした。足音だけでアオイだとわかった。お父さんの影響で、あらゆる武道や…

死んだ先輩と転職活動

会社の先輩の森さんの話なんだけど、彼女は普通にいい人なのね。いつも穏やかで優しくて、 怒ってるところは見たことない。ていうか、いつも笑ってる。ただ明るいってのとはちょっと違って、レベル1の笑顔をずーっと顔に乗せてるみたいな。 でね、この森さん…

いっそあなたに恋ができたら

大学の同期のリコちゃんは、いわゆる恋愛体質だ。常に好きな人がいて、その人の彼女になったりセフレになったり、どうにもならなかったりで、キャンパスライフは彩り豊かだ。常に情報を送受信する彼女のスマホは過労死寸前。使い込んだグッチのバッグには、…

同情するなら彼をくれ!

妹は、わたしの夫が好きらしい。 --- 30歳の誕生日に大失恋して、その足で結婚相談所に駆け込んだ。年収・身長・年齢などのあらゆる数値のお見合いをして夫と出会った。入籍は31歳になる2ヶ月前だった。 お互いのゴールは結婚であり、それを達成してしまった…

「首を探しに行きます」と言われて

※久しぶりに創作以外の記事。ちょっと怖い話です。特定されそうなところはボカしています。 中学1年生の時、部活終わりに先輩に呼び止められた。 「着替え終わったら、1年全員で更衣室に来て」 いわゆる呼び出しだと思った。他の部活の同級生は「調子に乗っ…

わたしの神棚

ナンパされるのは嫌いじゃない。よっぽど気持ち悪い男でなければ、その日のうちにホテルまで行く。 今日も滞りなくセックスは終わった。男がシャワーを浴びている間、わたしは彼の持ち物を物色することにした。初めて会って寝た男から、物を盗むのが趣味なの…

令和本命会議

ーーこの男、やはり他にも女がいる!! 夏野ナツコが天啓を受けたのは、ある静かな夜のことだった。彼氏の春川ハルキは憎らしいほどスヤスヤと、穏やかな寝息を立てている。 神は言った。ただちに他の女どもを蹴散らし、あなたこそが本命であると証明するべ…

悪意を垂れ流すあなたのことが、もはや恋より純粋に、

「あんたが男だったら良かったのに」とヒメちゃんはよく言うけれど、実際わたしが男だったら相手にされないのはわかっています。 ヒメちゃんは空気を読めないし、気分屋ですぐ不機嫌になる。自分の感情が最優先で、昨日まで一方的に無視していた相手に「彼氏…

正方形の恋人

高畑さん、おかえり。遅かったね。 2時間くらい待っちゃった。ん? 何しに来たって、集金だよ。今月振込なかったから。とりあえず中入れてくれる? スマホの充電切れてんだ。 お腹空いちゃった。何か食べるものある? そう、作ってくれるんだ。ありがとー。…

弄んだので刺されています。

こんにちは! 森高エリナです。今、お腹にナイフが刺さっています。大学の後輩である浜本くんをLINEでブロックして2ヶ月、たまにバイトや学校帰りに後をつけられてるのはわかってました。新学期早々、刃物を持って待ち構えていた(そして実行した)彼は実家…