この記事は誰の役にも立たないし、誰かを責める意図もない。長い間持ち続けていた気持ちを文章にしただけだから、もちろん解決に向けた提案もない。
続きを読む全自動お茶汲みマシーンマミコと無敵の主人公
カラン。アイスティーの氷が溶けて涼しげな音をたてる。恵比寿のカフェで、マミコは人を待っていた。
10分もしないうちに、大柄な女性が息を切らせてやってきた。彼女はしきりに遅刻を詫びて、色褪せて固そうなタオルハンカチで汗を拭った。マミコはコスメデコルテのAQ MW ルージュ グロウ(※1)を塗った唇の端を釣り上げてメニューを手渡す。全然待ってないよ、お姉ちゃん。
全自動お茶汲みマシーンマミコと恋人
マミコには現在恋人はいないが、マミコを恋人だと思っている男は4人いる。年齢は24歳から46歳、職業はゲームクリエイター、営業マン、ジムインストラクター、公務員。ここに近々29歳大手出版社が加わる予定だ。
金曜日、久しぶりに高熱が出た。週末の予定はすべてキャンセルである。男たちは優しく、誰ひとりドタキャンを責めはしなかった。体調を心配する声や看病の申し出が続々届くスマートフォンを放り投げ、マミコはベッドに横になる。
ミホちゃん、不倫やめないってよ。
高校の後輩であるミホちゃんの不倫を知ったのは、社会人1年目の秋だった。
彼女を一言で表すならば『可愛い子』だ。明るく何事にも一生懸命。芸能人で言えば宮崎あおいさんのような愛らしい雰囲気の持ち主だ。
高校卒業後短大に進んだミホちゃんは、就職するまで誰とも付き合ったことがなかった。そんな彼女の初めての『彼氏』は奥さんのいる人だった。
全自動お茶汲みマシーンマミコと後輩指導
マミコの後輩が入社してきたのは、昨年のちょうどこの時期のことだ。
専務の遠縁の親戚か何かで、いわゆるコネ入社である。日本有数の名門大学に現役合格したにも関わらず、半年経たずに中退したらしい。
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全自動お茶汲みマシーンマミコと女の敵は女な女
ある日の午後、マミコは中目黒のイタリアンレストランにいた。向かい合うのは坂口健太郎似の好青年。……であれば良かったのだが、残念ながら女子大時代の先輩だった。
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