ゆらゆらタユタ

わたしのブログ

死者とセックス

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「また死者とセックスしてしまいました」

そんな報告が空を飛び、彼女の手の中に届く。 

死者とセックス

わたしと紗江ちゃんは合コンで出会った。当日になって女の子が1人来れなくなり、急遽呼ばれたのが彼女だった。

 

わたしと合コン幹事は会社の同期で、幹事と紗江ちゃんは大学の友人。合コン直前に彼女に会って、一瞬で目を奪われた。顔立ちもスタイルも普通なのに、雰囲気が圧倒的に可愛い。ノースリーブとショートパンツから潔く出した手足が眩しかった。決して細くはないけれど、柔らかそうな太ももからは健康的な自信が漂う。

 

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女の子だから、ニコニコ笑ってお掃除をして、あなたの帰りを待ってるわ。

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西に女同士の諍いあれば、「女は陰湿」と怯える者あり。東に男女の争いあれば、「女って怖ぇw」とはしゃぐ者あり。インターネットは今日も楽しい遊び場である。

女として20年以上生きてきた。

すべての女性とうまくやれてきたとは言わない。対立してしまった人もいる。でもそれは、女子特有のものではなかった。男子は男子でいじめがあったはずなのに、「怖い」と言われるのは女の方だった。

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全自動お茶汲みマシーンマミコとセックス

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マミコは今、セックスをしている。

場所は渋谷区のマンションの一室。物の多い部屋に間接照明がぼんやりした光を投げる。マミコは全自動性欲処理マシーンとして、新鮮な喘ぎ声を製造・提供するお仕事に励んでいた。あんあん。そして頭では、部屋に馴染まない間接照明を、この男はなぜ購入したのだろうと考えていた。女を連れ込む時のムードづくりか? そういう記事をネットで読んだのか?

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全自動お茶汲みマシーンマミコとデート

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マミコにはこれといった趣味はないが、強いて言うならデートである。マミコの中でのデートの定義は『自分を性的対象としている異性と2人で出かけること』だ。週に何度かのデートに向けてコスメを買ったりコーディネートを考えたり、そういう時間が1番楽しい。その楽しさをデート本番が上回ることはほとんどないから、趣味は『デートの準備』というのが正しいかもしれない。

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全自動お茶汲みマシーンマミコと無敵の主人公

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カラン。アイスティーの氷が溶けて涼しげな音をたてる。恵比寿のカフェで、マミコは人を待っていた。


10分もしないうちに、大柄な女性が息を切らせてやってきた。彼女はしきりに遅刻を詫びて、色褪せて固そうなタオルハンカチで汗を拭った。マミコはコスメデコルテのAQ MW ルージュ グロウ(※1)を塗った唇の端を釣り上げてメニューを手渡す。全然待ってないよ、お姉ちゃん。

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