30になってもセックスの良さがイマイチ分からず、女友達が絶賛するセフレと寝てみることにした。
「絶対に好きになりません」
「セックスは1回きりです」
「連絡先は消去します」
そんな念書まで書かされたので、「ランちゃんが彼を好きなら遠慮するよ」と言ってみたものの(わたしは『友達のセフレ』とは寝れても『友達の好きな人』とは絶対に寝ない、わりかし硬派な女である)、「そんなわけないじゃん」と返されて、その顔は少し引きつっていたような気はするけれど、「友達とセフレをシェアってのも気持ち悪いじゃん?」「こっちが会えなくなるのも嫌だし」「彼はわたしの……わたしの、いつでもセックスできる、都合のいい男なんだから」という、「わたしが好きなのはあくまでも、『彼とのセックス』なんですよ?」を強調しまくる念押しの後で、微妙に盛れていないわたしの写真がセフレの彼に送信された。返信は10分たたずに来た。
「今日でもいいよ。18時以降にウチでヨロシク」
グーグルマップで住所を共有。デキる男はスムーズである。
それから30分くらい、ちょっと不機嫌になったような、そうでもないようなランちゃんに「まぁ上手いって言っても相性はあるけど」「ちょっと小汚い感じだし、あなたのタイプじゃないかもね?」などと言われながらお茶をして、わたしは男と寝るため店を出た。
知り合いの紹介とはいえ、初対面の女に警戒心ゼロで住所を教えるランちゃんのセフレは、確かに長髪でヒゲを生やしていたが、不潔な印象はまるでなかった。むしろベースは塩顔イケメンに属する顔で、わたしは逆にがっかりした。いかにもランちゃんの好きそうな男だ。ホンマにセックス上手いんでっか? 顔面ボーナスちゃいまっか?
続きを読む