ゆらゆらタユタ

わたしのブログ

ねとられ女と愛の盗難

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こちらから読むとわかりやすいです↓

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ねとられ女と"愛の盗難"

 

お疲れ様。ごめん、待った?

 

呼び出した理由、わかるよね。そう。あなたが私の彼氏を寝取った件です。別に謝ってほしいんじゃないんだけど……で、どっちから? ……そう、絵里からなんだ。

 

そりゃショックだよ。絵里のこと、信頼して彼を紹介したんだし。ねぇ、私のこと嫌いだったの? 今となってはどうでもいいけど。……呼び出しといて悪いけど、なんかもういいや。帰るね。

 

言い訳……。わかった。聞かせて。許せるかどうかはわからないけど。

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マジでフラれる5秒前

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「今日会える?」ってLINEが来たから嬉しくて、でもバレないように「じゃあ家にくる?」なんてそっけないテキストを送ったのに、返ってきたのが「いや外で会おう。話したいことがある」だったからもういっそ死んでしまいたい。これ完全に切られるやつだよね? クッソ。

約束の30分前にファミレスについた。清水くんはタバコ嫌いだけど、迷わず喫煙席を選んだ。水が来る前にタバコに火をつける。

 

清水くんは5つ年下のセフレ。バイト先で出会い、何かのきっかけでホテルに行った。彼はその時大学生で、童貞だった。

 

あれから4年……いや5年。彼が童貞を捨て、就職を決め、卒業、入社、昇進と駒を進めていったこの時間、私は何ひとつ変われなかった。最初から非処女のフリーターで、今も非処女のフリーター。



付き合う話がなかったこともないけれど、断ったのは私の方だ。あの頃は本当に、遊びのつもりだったのだ。

 ……もう一度、付き合おうと言ってくれたら。自分から動く勇気もなく、数年間も薄く期待し続けた結果がこれです。ため息をついてタバコを灰皿に押し付けた。

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プロポーズ後の置き手紙

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コウちゃんへ

 

昨日はプロポーズありがとう。一晩考えたんだけど、やっぱり結婚できません。

本当は顔を見て言うべきだけど、こんな手紙を残して出ていくことを許してください。この家にある私の荷物は全部処分して構いません。

これから理由を書きますが、読まずに捨ててくれてもいいです。

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2017年 書いたもの

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2017年が終わります。

今年のはじめ、「月に2回以上ブログを更新しよう」と決めました。挫折したのは翌月です。

夏からは、ありがたいことにAMさんで連載が始まったので、継続的に文章が書けました。ブログの記事が17本(この記事を入れれば18本)、AMでの連載が11本、企画への寄稿が1本。合計29本のうちの10本をまとめました。反応が多かったものではなく、単に自分で気に入ってる順です。年末年始にお時間あれば、読んでもらえると嬉しいです。

 

1【創作】死者とセックス

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「紗江はね、別れた彼氏は全員死んだと思ってるの。だから連絡なんてあるはずないし、あったとしたら心霊現象

-『生きてる元カレのお葬式』からはじまる女の子同士の友情の話。

 

2 【コラム】普通の人生には結婚がマストだったのに…彼氏は別の女と婚約した

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「『普通の人生』に結婚はマストアイテムで、彼が与えてくれると信じていたのだ。」

-何年も前の話だけど、書いてからほんとに過去になった感じがする ありがとうトラウマは原稿料になった

 

3 【コラム】彼とわたしの泥仕合

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「正論で責め立て、感情的に罵倒し、それでも彼を呼び出すわたしが何を望んでいたかというと、呆れることに復縁だった。」
-「他の子と結婚するから別れて」からはじまる、元彼氏との泥仕合

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生活のかかった恋だった

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しょうちゃ〜〜〜〜ん。もう無理〜〜〜〜。歩けない〜〜〜〜。

玄関から聞こえる泣き言に、僕は舌打ちして身体を起こした。午前5時半。非常識な姉の朝帰りである。

 

姉が玄関で泣くのが趣味みたいな人だ。

靴も脱がずに、コートも着たまま倒れこんでいる。姉がドラマの主人公で、僕が面倒見のよい弟なら、嫌な顔せず靴を脱がして部屋に運んだりするのかもしれない。でも現実は、姉はちょっと肌荒れしたアラサーで、僕はクマのひどい浪人生である。わざわざ玄関まで来たのは戸締まりを確かめるためだ。案の定、鍵はかかっていなかったので、姉を跨いで施錠する。

 

自分の部屋に戻ろうとすると、姉がスウェットの裾を掴んだ。「しょうちゃん、もう無理。ほんと無理」。もう無理なのはさっきも聞いた。風呂に入って寝ろと告げると、ココアを飲まないと無理だと言う。自分で作れと突き放すと、無理しょうちゃんやってとほざく。何も無理じゃねぇだろと思うが、ここは姉の家であり、僕は居候中の身だ。仕方なく僕は台所に向かい、姉はドロドロに溶けたみたいな「ありがと」を言って、ようやく立ち上がったのだった。

 

僕がミルクを温める間も、姉はグスグス泣いていた。理由はわかっている。失恋だ。

とはいえ彼氏と別れたのはもう半年も前の話で、今日だってどうせ他の男と寝てきたのだ。自分の足で帰ってくるのに、帰宅した途端立てなくなるらしい。

 

「なんでこんなこと繰り返すわけ?」

「だってヒロくんと別れたし……」

「全然理由になってないけど」

 ココアの袋にスプーンを突っ込む。あ、賞味期限昨日。まぁいいか、飲むのこいつだし。

 

「そんな好きだったの?そのヒロくんが」

てっきり「当たり前でしょ!」なんて即答すると思っていたのに、姉は口をつぐんでしまった。沈黙の中で、カップに温めたミルクを注いで、雑なココアを完成させた。かき混ぜながらカップをテーブルに置いてやった時、小さく「わかんない」と聞こえた。

 

「なら別にいいじゃん。次探せば」

「無理」

「なんで」

「ヒロくんっていうか、失恋そのもののダメージがデカい」

テーブルの上に突っ伏したまま、湿った声で姉は続けた。

 

「だって、わたしは……わたしにとっては、生活のかかった恋だった」

僕は聞き返す。「生活のかかった恋?」「そう、生活のかかった恋」。

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汚部屋戦線24時

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もはやこれまで。

 

金曜24時、私は絶望していた。

部屋が汚ねぇ。汚すぎる。いや全然いつものことだけど、明日までに片付くわけがない。本当につらい。マジでもう無理。完全敗北。

 

明日、彼氏が遊びにくる。3ヶ月前から付き合い始めた年下の保育士、悠人くん。前回のデートで家に来たいと言われ、承諾したのを忘れていた。

 

『明日何時に行けばいいかな? お土産にケーキ買ってくね』。

30分前、オフィスの出口でメッセを受信し顔面蒼白。いや、ゆうても徹夜で頑張りゃ人を呼べる程度には……? と甘い期待を抱いて帰宅、ドアを開けた瞬間終わりを確信。今は(いつから敷きっぱなしなのか定かではない)ヨガマットの上に横たわり、クソどうでもいいまとめブログを読んでいた。こんなことしている場合ではない。場合ではないが、どうにもならない。

 

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ねとり女と"正解の男"

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ううん、全然待ってない。お仕事お疲れ様。何か飲む? ……うん。呼び出された理由、わかるよ。宮田さんのこと、だよね?

 

ごめんなさい。佳奈ちゃんが怒るのも当然です。どっちから……。わたしから、になる、と思います。違う、違うの。佳奈ちゃんは大事な友だちだよ。そんな風に思ったことは一度もないです。それだけは信じてほしい。

 

お願いだから、言い訳を聞いてほしい。許してもらえるかわからないけど……。

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