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全自動お茶汲みマシーンマミコと年齢

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全体的に幼い印象を与える顔なので、マミコは20代後半の今でも学生に間違われることがある。

同級生と合コンに行っても、男側から「後輩?」と聞かれる。友人たちの反感を買わぬよう、同い年だとさらりと答えながら、内心優越感を抱いていた。

若く見えることは嬉しかったし、ささやかな誇りでもあった。でも、今は怖い。マミコは丸顔でパステルカラーが似合うなど若く見える要素を幾つか持つが、それらの長所はほんの少しのシワやほうれい線によって、一気にアンバランスになると気がついたからだ。

自らの老化に気づかず、……いや、気づいているのかもしれないが、くっきりとほうれい線の刻まれた女性が若いファッションをしているのを見ると、マミコはゾッとしてしまう。無論、その女性は悪くない。けれど、自分が知らずにそのカテゴリに足を踏み入れる日を想像すると、足元がぐらつくくらいに不安になった。

マミコは可愛いとは言われても、美人だとはあまり言われない。色気がある、セクシーだと言われたこともない。袖がフリルになっているブラウスや、ビジューのついたカーディガン、フレアスカートが似合うと言われる。大学生の頃からほぼ変わらない服の趣味。男受けの良い、いわゆる女の子っぽいファッションであるが、30代半ばまで今と同じ格好はできない。じゃあ、どんなものを着れば? パステルピンクのカットソーではなくシンプルな形のシャツ? カーディガンより濃色のジャケットを着て、スカートの形をタイトにして? ……そんな格好が自分に似合うのか?背が低くて凹凸の少ない身体に?

童顔のマミコを羨ましいという友人は、身体のラインにフィットした年相応の装いがいつ見ても様になっている。仕事や恋愛で培われた自信を内側から漲らせ、自分で買ったルブタンのヒールで闊歩している。たとえその顔に小さなシミやシワができても、彼女の魅力は失われないだろう。

一方マミコ単なる全自動お茶汲みマシーンで、ヘラヘラ笑って周りに媚びるスキルしかない。……わたしはあなたが羨ましい。マミコはそれを口に出せない。

マミコは現在27歳。可愛いの限界は何歳だろう。可愛い人はいつまでも可愛いとか、アラフォーのあの女優は今でもとても可愛いじゃないとか、そういう慰めを聞くたびにマミコは叫びだしたくなる。いつまでも可愛い人になれる保証はどこにある? あの女優が美容にいくらかけてるか知ってる?

マミコは今日も全身鏡の前に立つ。まだ似合ってるよね? まだ大丈夫だよね? 誰も痛いと思わないよね?

日傘をさしながら駅に向かい(※1)、目的の駅に着くまでスマホでアンチエイジングについて調べた。

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(※1)サンバリアの効果の高い日傘を使っている。晴れ雨兼用じゃないのにこの値段は高いと思ったが、老けたくない思いが勝った。遮光性が高いので、ちょっとした買い物の時にもさすようにしている。とにかく焼けたくない。

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